前回までに排卵誘発剤の種類と効果について書いてきました。
今回からは、排卵誘発剤の使い方をみていきたいと思います!!
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排卵誘発剤といっても、
①排卵障害のため、排卵をさせる目的で使う場合。
②問題なく排卵はするが、複数卵胞を育てる目的で使う場合があります。
今回の記事は、
① の「排卵障害のため、排卵をさせる目的で使う場合」
をテーマにしたいと思います。
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「排卵障害」の場合はしっかりと一つ卵子が排卵されれば妊娠の可能性があります。
初めはクロミッドなど飲み薬からスタートしますが、それでも排卵しない場合はクロミッドの数が増える。もしくは注射で直接卵巣に作用させて卵胞を育てることになります。
排卵さえしっかりとすることができれば妊娠が期待できる(卵巣機能低下ではない)のか、他に排卵しない原因(高プロラクチン血症、PCOS、FSHやLHである性腺刺激ホルモンの異常等)がないのか判断して投与されることが必要です。
同じ排卵障害のため排卵誘発剤で「排卵をさせる」ことが目的でも、
病院で提案される治療方法は異なります。
例えば当院でも、
30歳で排卵をさせるために注射を連日打っていた方ですが、卵子の質自体はいい可能性があるため「排卵誘発+タイミング」を数周期行い妊娠されました。
しかし、39歳で生理周期が非常に長い方も同じ連日の注射を行っておりました。同じ「排卵誘発+タイミング」ですが、当然医師からは早急のステップアップを告げられます。
現在の状態に合わせて病院では治療の提案をされることになります。
しかし、患者様にもどこまでの治療を望まれるのか違いがあるため、必ずしもステップアップをされない方もおられます。
病院での治療の提案通りに、ステップアップを希望しないとしても、
現状の身体の状態を把握し身体をつくっていけるのが東洋医学の長所です。
ステップアップで体外受精を提案された方でも、
初めから体外受精をするつもりはなく体づくりで当院に通院なさっている方、
過去に体外受精をしていたが現在はタイミングのみで、ステップアップをもうするつもりがなく体づくりをして妊娠された方、
患者さまそれぞれお考えがあると思います。
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排卵障害も針灸でもちろん治療します。
昔は順調に生理が来ていたにもかかわらず、ある出来事(結婚、転職、引っ越しなど)を境に急に薬を使わないと生理が来なくなってしまったという症例もあります。
そのため薬を使いながら体外受精を行うも結果が出なくて、休んでいる周期に鍼灸でうまく排卵し自然妊娠をされるパターンもあります。
中には薬を使わないとまず排卵しないという場合もあります。
私たちがお手伝いさせていただく最大のポイントは、質の良い卵子が排卵されるようにベースをつくり身体の根本をつくっておくことです。
排卵までに40日とどうしても時間がかかってしまったこともありますが(生理から20日を超えてくると卵質も過熟のため質が悪くなってきます)、
それでも自然妊娠をされることも目の当たりにすると、質の良い卵子が排卵される身体づくりは非常に大きなウエイトを占めることだと感じます。
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次回の記事は
- の「問題なく排卵はするが、複数卵胞を育てる目的で使う場合」についてです。
ひとまず排卵誘発剤シリーズも次回で終了です。
もう少しだけお付き合いください♪