甲状腺ホルモンと不妊

当院の患者様で甲状腺の専門病院への紹介状を出される方が増えています。

 

10月・11月だけで当院では5人もの方が甲状腺の指摘を受けました。

 

 

昔から不妊と甲状腺ホルモンの関係が深いとされています。

 

では甲状腺ホルモンとはどのようなものでしょうか?

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○甲状腺ホルモンとは?

 

甲状腺ホルモンは全身に作用しています。

成長・発育だけでなく糖分や脂肪を分解してエネルギーを生みだし、新陳代謝・循環器の調整に関わるホルモンです。

 

 

 

○甲状腺と不妊の関係

では何故甲状腺は不妊に関わりがあるのでしょうか?

 

甲状腺ホルモンに乱れがあるとホルモンバランスが崩れ、月経異常・排卵障害・黄体機能不全が起きやすいとされます。

そのため不妊に繋がりやすいと言われました。

 

また、妊娠後甲状腺ホルモンは胎盤の働きを正常に機能させる役割があります。

甲状腺ホルモンに乱れがある場合、早産や流産の危険性が高いと言われています。

 

そして甲状腺機能は胎児にも影響を与えます。

妊娠期間中、胎盤を通過して胎児の血液中に甲状腺ホルモンは運ばれ、胎児は成長します。

妊娠初期の母体から通じた甲状腺ホルモンが胎児の精神、神経機能の発達に関わります。

 

 

そのため、甲状腺ホルモンは不妊だけでなく、流産、出産と関わり深いものです。

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○甲状腺の検査

甲状腺の検査には主に三種類に分かれます。

①甲状腺機能検査(血液検査)

②甲状腺抗体検査(血液検査)

③甲状腺の大きさ・形の異常、腫瘍の検査(超音波検査)

 

血液検査と超音波検査に分かれますが、甲状腺ホルモンは種類が多く、様々なホルモンを調べます。

 

 

①の甲状腺機能の検査は以下のホルモン値を調べます。

・FT3 (基準範囲 2.2~4.3)

・FT4 (基準範囲 0.8~1.6)

・TSH (基準範囲 0.2~4.5)

 

FT3とFT4は甲状腺から分泌されるホルモンです。

新陳代謝を活発にし、交感神経の働きを活性させます。

新生児の脳の発達や子供の成長にも関わるホルモンです。

TSHはFT3やFT4を分泌させるためのホルモンで、脳下垂体から分泌されます。

 

②の甲状腺抗体検査は以下のホルモン値を調べます

・TRAb  (基準範囲 2.0未満)

・TsAb  (基準範囲 180以下)

・TgAb  (基準範囲 40以下)

・TPOAb (基準範囲 28以下)

 

TRAbとTsAbは甲状腺を刺激する自己抗体です。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の場合、数値が高くなることが多いです。

 

 

 

 

TgAb、TPOAbは慢性甲状腺炎で高くなることが多いですが、バセドウ病で高値の場合もあります。

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○基準範囲に変化が?

 

冒頭でも話しましたが、ここ最近不妊専門の病院で甲状腺ホルモンを指摘され、甲状腺の専門病院の紹介状を出される患者様が増えています。

以前から甲状腺ホルモンは定期的に調べられていますが、何故甲状腺ホルモンの指摘が一気に増えているのでしょうか?

 

患者様で不育症も取り扱う病院で不育症の検査をし、TSHが5以下ということで、問題ないと言われました。しかし、普段不妊治療をしている病院に検査結果を渡したところ「当院ではTSH2.5以下を基準範囲としておりますので、甲状腺専門病院にかかってください。」と言われたそうです。

 

そもそも甲状腺ホルモンの乱れは月経不順、排卵障害、黄体機能不全を引き起こすため、不妊の原因になると言われています。

しかし当院で甲状腺専門病院の紹介状を出された患者様は排卵障害どころか、卵胞の成長が遅れたことさえありません。また、TSHが高い甲状腺機能低下症の症状である浮腫や疲労感などの症状もありませんでした。

 

つまり、排卵障害などがなくとも甲状腺ホルモンの乱れは不妊との関わりが深く、基準範囲が変化したのではないかと考えられます。

 

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上記の①の検査で元々OKでも、最近②の抗体を測り始めてひっかかり、甲状腺の専門病院を紹介されるというパターンがあります。

しかし伊藤病院で無治療のままでもOKということも多くある印象です。

 

 

○甲状腺の働きと「気」の働き

甲状腺ホルモンの働きは

・糖分や脂肪からエネルギーを作り出す

・脳、心臓などあらゆる臓器を正しく機能させる

・体温を適切に保つ

・脳や神経を発達させ、知能を伸ばす

・発育期に骨の成長を促す

 

とあります。これらは東洋医学の「気」の働きと非常によく似ています。

 

「気」の働きには以下のものがあります。

 

・推動作用

 人の成長、発育、生理活動や新陳代謝を推し進める働き

・温煦作用

 臓腑、器官など全ての組織温め、体温を保持する働き

 

西洋医学の甲状腺と東洋医学の「気」はこのようによく似た働きを持ちます。

 

「気」とは端的にいうと「働き」のことです。

 

もちろん鍼灸治療ではホルモンを直接補充するという作用を目的としていません。

鍼灸治療は「気」に作用させるものです。

 

気を充実させ「働き」を高めることにより、甲状腺の働きを活性化させ全身の機能を高めます。

 

 

脈診はこの気の「働き」を観察するのに優れた診察法といえます。

 

気の充実により生命力が強化されると子宮・卵巣の働きを高めることにも繋がります。

温かく柔らかい弾力のある脈やお腹では「働き」が充実している証拠です。

 

 

当院を訪れる患者さまの中には、甲状腺関係で指摘を受けた方は少なくありません。

 

よい脈・お腹を作り「働き」を高め、妊娠力を高める身体づくりを行います。

 

そあら鍼灸院

 

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