「まだ気づいていない問題点を明確にする」意外と大事なカウンセリングで明確にしたいこと
2019/8/16
当院は毎週定期的に院内研修をしています。
ちょうどこの日は「初診時のカウンセリングで確認すべきポイント」についての話になりました。
当院では初診に方には治療の前にカウンセリングの時間を設けています。
患者さんからはよく
- あまり人には話せないことを聞いてもらえる。
- 他の人に話したとしても内容を理解してもらえないが、話した内容を理解してもらえる。
- 病院での治療内容について疑問を聞ける。相談できる。
- 色々な病院の情報が聞けるから参考になる。
- 悩みや苦しみを聞いてもらえる。
- 参考になる経験者の話を聞くことができる。
- 愚痴を聞いてもらえる。
などのお声をいただき、カウンセリングの重要さを感じます。
そこでカウンセリングの時間ではどんなことを考え、話しているのかを書いてみます。
カウンセリングの内容
カウンセリングは様々なことを話しますが、概ね以下のような内容です。
- 病院での治療経過の把握(今までにどのような治療をしてきたか)
- 必要に応じて現在病院で行っている治療内容の解説
- 病院情報の提供
- お悩みや不安など
- 体調で気になっていること、改善したいことなど
- 今後の予定、お考え、希望など(いつまでに結果が出てほしい等)
- 鍼灸治療について(妊娠しやすい身体づくりのためにどんなことを行うのか)
- 改善点の把握と治療目標(お話をお伺いしたうえで、お身体の改善できる・した方が良いと思われるポイントをお伝えする。)
これらに対し、どんなことが当院でお手伝いできるのかをお伝えしています。
心がけていること
そしてカウンセリングや鍼灸治療を行うにあたりこのようなことを心掛けています。
- 共感
- 分かりやすく適切な情報のご提供(治療内容の説明や治療方法、病院情報など)
- 心身の悩みを受け止める
- 心と身体のケアを行う
- まだ気づいていない問題点を明確にする
- 患者様の希望に沿った対応を支援する
- 当院と関わることで元気になってもらいたい
今回の研修はその中の一つ
「まだ気づいていない問題点を明確にする」
がテーマに上がりました。
まだ気づいていない問題点を明確にする
「患者さんは気付いていないけど、私たちは気付いていること」があります。
それは何なのかを明確にして、
解決法を提示することが大事です。
今回は
- 自分では気づかなかった「身体の状態」について
- 自分では気づかなかった「気持ち」について
の2つを例に挙げてみます。
①自分では気づかなかった「身体の状態」
熱がりで冷えは感じていないけど、冷えのケアが必要な場合
例えば体に熱がこもりやすく冷えを感じていない方がいらっしゃいます。
「冷えなんて感じません、むしろ私暑がりなんです~、汗もよくかくし」
という方です!
「冷えは妊活に良くないことは分かっているけど、
普段から冷えることもないし、
この暑さだから冷房の効いた部屋にいてもいいか。」
と。
冷えの自覚がない場合は冷えていないと考えがちなのですが、
確かに上半身は熱が多く冷えてない方でも、
足だけは冷たくなっていることが多くあります。
これは非常にアンバランスな状態です。
理想の状態は「頭寒足熱」という状態。
上半身の熱をさばいて、下半身に熱がめぐるようにしなくてはなりません。
熱がりでも足元の冷えをケアしないと、
なかなか妊娠しやすい身体づくり(妊娠しやすい脈)が完成せず、
結果が出づらくなってしまいます。
冷えは感じていないけど、
「足だけは冷たい」
ということが意外に多くあります。
②自分では気づかなかった気持ち
つい最近の例ですがこんなことがありました。
タイミング指導で不妊治療のクリニックに通い始めてから半年くらい経ち人工授精を勧められた。
何周期かのタイミング指導の後、クロミッドを飲むようになってから薬が合わず体調もすぐれないとのこと。
人工授精へのステップアップを機に転院を考えている。
ストレスやイライラ・悶々とした気持ちや落ち込みの原因が、
不妊治療で出る薬で体調が悪くなることや、
仕事の忙しさからくるものだと思っていたが、
答えは意外なものでした。
「あれからステップアップを機に他の有名クリニックに転院しました。
先生も多く機械的に進んでいく感じ…
今までのクリニックとは違うなーという印象です。」
近況報告を伺ったあとは、症状の確認へ。
「最近は仕事(デスクワーク)が忙しく、肩がつるし眠れず非常に疲れがたまっています。そして喉が詰まった感じがあり咳が出ます。」
その後は脈診・腹診をします。
脈やお腹をみると、考え事が多いのか落ち込んでいるような所見がありました。
それも参考にお話を聞いてゆきます。
「何か考え込んだりすることが多いですか?」
転院はしたものの、
正直クリニックをどうしようか悩んでいるとのこと。
さらにお話を聞いていくと、
- 一人の先生に診てもらいたい
- 先生に話を聞いてほしい
という希望があることが分かりました。
ポジティブに転院したものの、
その裏で葛藤が続いており、ずっと悶々と考え込んでいたようでした。
冒頭の症状にあった喉がつまりることによる咳。
これはストレスや落ち込みによる考え事で出ているものなのです。
患者さんの内面に何かあるという脈が出ています。
漠然と考えていてモヤモヤした何かが、
治療中のやりとりの中で明確になり、
クリニックへ求めるものが何なのかが浮き彫りになりました。
元々患者さんの中に答えとして持ってはいたことですが、
それが潜在化していなかった。
話をしているうちに答えが明確になってきました。
- 自分が何をどう感じて何を考えているか、どうしたいのかが分かる
- 自分自身の悩み・問題の解決の糸口が見つかることがある
こんなことが明確になってきます。
最後にご要望に合うような一人の先生で親身に話を聞いてくれるクリニックのご紹介をしましたが、
次回どうされたか確認してみます。
P.S
鍼灸治療やカウンセリングを通して、気づきがあることは変化の第一歩。
気づいていなかった何かが見つかり、今後の妊活のヒントになれば、また一歩前進です!
まとめ
- 心掛けの一つとして、まだ気づいていない問題点を探し今後の妊活に役立てます。
- 自分では気づいていなかった「身体の状態」の具体例 (鍼灸師として気づいた点)
- 自分では気づいていなかった「気持ち」の具体例 (カウンセリングによって患者さん自身が気づいた点)
なにより話を聞くことが大事だと考えています。
ただ妊娠しやすい身体づくりという解決法だけを行うよりも、
不妊カウンセリングの中で、自分の気づいてなかった点が明確になることは重要です。
カウンセリング・鍼灸治療の機会をいただいたご縁を大切にして、
妊活の伴走者としてしっかりと支援させていただきます。
東京都新宿区西新宿7-13-7 タカラビル2F
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