さすがにそれはないでしょう

こんにちは。
そあら鍼灸院の松本です。
今回は
”あなたが試そうと思っているその漢方本当に大丈夫??”
というタイトルでお話させていただきたいと思います。
患者様からの相談について調べていく中で、
これはさすがひどすぎる。
とショックを受けることがありましたので、
啓蒙の意味も込めて書かせてもらうことにしました。
(問題と思う商品名は書いておりません)
先にお伝えすると今回問題だと思ったのは、下記の二点です。
① その商品自体に医薬品としての効果が期待できない可能性があった
② その価格は本当に適正価格か
妊活中、効果があるのなら
取り入れてみたいと思うのは当然のことだと思います。
患者様から、
「今度こういうことをやってみたいのだけれど
どう思いますか?」
と聞かれることがよくあります。
今回の事例は
ある2つの漢方薬について
「今後試してみたいがどう思いますか?」
という相談が複数件あったので調べてみて分かったことです。
その商品を漢方薬A、Bとします。
漢方薬A
その成分を見ると(1日用量である)3.6g中
(ジオウ0.51g・センキュウ0.91g・トウキ1.9g)エキス0.64g
カンゾウ末0.91g
シャクヤク末0.91g
ニンジン末0.31g
市販されている漢方に同じ成分のものはないのですが、
分かりやすく比較検討するために下記に
第2類医薬品として販売されている
クラシエの四物湯の成分を記します。
一日用量3包(4.5g中)エキス粉末1.8g
(ジオウ、トウキ、シャクヤク、センキュウ各1.5gより抽出)
漢方薬B
(1日用量)3g中
エキス0.3ML 
オウギ:0.009g、 カンゾウ:0.042g、ケイヒ:0.07g
ジオウ:0.015g、シャクヤク:0.015g、センキュウ:0.02g
トウキ:0.015g、ニンジン:0.006g、ビャクジュツ:0.014g
ブクリョウ:0.014g 、動物胆:0.055g
エキス0.055g  ソウジュツ:0.003g、 ブクリョウ:0.003g、 ニンニク:0.107g
サンヤク末:0.066g
ハンピ末:2.756g
こちらはその90%以上がハンピ(マムシ)、
それ以外の漢方成分に至っては全体のわずか数%であり、
ほぼマムシカプセルという内容でした。
こちらも比較のため下記にクラシエの十全大補湯の成分を記します。
(1日量) 12錠エキス粉末3.1g中
オウギ、 ケイヒ、 ジオウ、シャクヤク、センキュウ
トウキ、ニンジン、ビャクジュツ、ブクリョウ 各1.5g
カンゾウ 各0.75g より抽出
細かい計算は省きますが、
見ていただきたいのは
漢方を構成している生薬の量が
桁違いだということです。
気になる方は下記をご覧ください。
日本の医療用漢方エキス剤
(ツムラ・クラシエ・コタローなど)の基準は
通常 1日分 2.5~7.5g の範囲で設定
煎じ薬に比べて 1/2~1/3に濃縮
されています。
「一般用漢方製剤製造販売承認基準について」
厚生労働省通知
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000160072.pdf?utm_source=chatgpt.com
「漢方製剤承認基準について」
奈良県の公開資料https://www.pref.nara.jp/secure/177442/kanpo.pdf?utm_source=chatgpt.com
以上提示してあるように
エキス剤にしても基準となる容量があります。
それらに照らし合わせると
特に漢方薬Bに関しては
第3類医薬品としても生薬の量が少なすぎるため
医薬品のとして有効性を保証できず
認可される可能性は極めて低いことになります。
そうなるとサプリメントとしての販売が
適切ということになります。
そして、ここでもう一つの問題点となるのが、
この漢方を購入するためのサービスの価格が
非常に高額であったということです。
何か変えたいと思っているときに、
高価なものを提案されると
特別な効果があるのではないかと思ってしまうものです。
今回の商品もサプリとして、
適正価格での販売であれば
何の問題もありません。
しかし、
今回は、(その他サービスが付いているものの)
体外受精の金額を超えるような非常に高額な料金でした。
気にかかった点は他にもありますが
漢方薬を新たに取り入れたいと思ったときは、
容量とそれに対する期待できる効果に関しては
市販のものと比べてみるなど、
最低限の理論武装はしておいたほうが
いいと思ったのでその点を共有させていただきました。
また、価格についても
高額であればあるほど
効果が高いということではありませんので、
一度立ち止まって適正価格かどうかを調べてほしいと思います。
漢方とは本来、漢方薬だけではなく
鍼灸やあん摩、食養生等を含めたものを指します。
そして、漢方は患者さんの体質、体調、症状等を問診し
脈診や腹診、望診(視診)、聞診(臭いや声)で
病態を把握して処方や治療をするのが原則です。
そうしないと効果がないばかりか
副作用が出るからです。
せっかく身体に目を向けられて
それを今よりもいい状態へ向けたいと
限られた時間の中で
様々な思いを持ちながら
取り組まれている中で、
このサービスの矢印はどこに向いているのだろうと
さすがに思ってしまいました。
よく私は師匠に言われています。
サポートする人間に大切なのはもちろん技術です。
でも、それと同じくらい
相手を思いやる心を持っていることが大切ですよと。
何か疑問に思うことや不安に思うことがあれば
何でもご相談くださいね。
p.s.
今回のコラムは過去の記事を
9割くらい書き換え大幅リライトしました。
不妊治療におけるカウフマン療法の効果とスケジュール
https://soara-sinkyu.com/hunin-counseling-counseling/hi-fsh
もくじ
1. カウフマン療法とは一体どのような治療?
1-1無月経の場合のカウフマン療法
1-2カウフマン療法に使われる薬の種類
2.不妊治療におけるカウフマン療法の適用
2-1カウフマン療法による妊娠しやすさの向上について
2-2不妊治療におけるカウフマン療法のメリット
2-3不妊治療におけるカウフマン療法のデメリット
3.不妊治療におけるカウフマン療法と他の治療法の比較
3-1カウフマン療法とピルの違い
3-2カウフマン療法と他の排卵誘発方法との比較
4.カウフマン療法のスケジュールの立て方
5.まとめ